地階のあるコンクリート住宅 掘削から完成まで >RC住宅
境界確認 ■ 敷地境界の確認
新築工事の設計監理は、まず敷地の境界確認から始まります
あらかじめ提出いただいた敷地図を基に設計は進みますが、通常、設計を開始した時点では
塀や樹木の根などが多くあり、それらの所有が計画敷地内にあるのか、隣地にあるのかが
明確にできないことがあります。しかし曖昧なまま工事をはじめることはその後の問題を呼び起こす
場合もあり、適切なタイミングで境界杭を確認します。
山止め工事
■ 土工事

地階がある場合、思いのほか大きく、深く掘る印象を持たれるものですが、地階の下には基礎を造り、
周囲の地盤が崩れ落ちないような処置をとるため、まず丈夫な鉄の柱を地上から差し込んで掘削の
準備をしなければなりません。
地下室の建設コストが高くなるのは、このような完成したらなくなってしまうものや、
見えなくなってしまうものが多いためにそのような印象があるのかもしれません。
危険が伴う作業のため十分な配慮が施工者に要求されます。

掘削
■ 掘削

地上から差し込まれた柱を頼りに掘削を進めながら地盤の崩落を抑えます。
人の大きさと比較するとその深さが理解できます。
近隣のみなさんからも予想以上の深さと大きさに驚きの声があがります。
熟練した現場監督と職人の注意深い作業が進みます。

支持地盤
■ 支持地盤

この時同時に建物の重さを受けとめる地盤を直接目にすることができるのです。
設計の前提となった地盤調査の結果との照合がなされます。

捨てコン
■ 基礎施工準備
建物の重量を地盤に伝える基礎(耐圧版)は、できてしまえば見えなくなる部分ですが
構造的には非常に重要な部位です。 正確な施工をするために慎重な準備工事が整えられます。

耐圧版配筋 ■ 耐圧版配筋
基礎の耐圧版の鉄筋が丁寧に組まれます。
配筋工事の美しさは建物の寿命に密接な関係があることは言うまでもありません。
鉄筋の太さや配置、重なり長さなどを確認する「配筋検査」を実施します。
担当した構造設計事務所のスタッフも立ち会って、図面との照合、問題点の有無を確認します。

 
耐圧版
■ 耐圧版
コンクリートが打設(だせつ)され、工事は次の段階に進みます。
このあとは「配筋」→「検査」→「打設」→「配筋」→「検査」→「打設」の作業が続きます。

受け入れ検査
■ コンクリート受け入れ検査
鉄筋コンクリート構造は鉄筋とコンクリートが相互に補強しあって建物の強度を保つものです。
日本工業規格認定工場で製造されたコンクリートはミキサー車で現場まで運ばれ、打設される前に
第三者機関の検査を受けます。まだ固まらないコンクリートに適した「柔らかさ」や
それに含まれる「空気量」「塩化物量」などを測定し、構造図に指定された性能を確認した後に
打設されます。 またその時、後に圧縮強度試験のためのテストピースも採取され、1週間後と
4週間後に強度試験を実施し、建物の安全を確認します。

打設 ■ 打設
受け入れ検査を済ませたコンクリートがミキサー車からポンプ車に中継されて現場内に圧送され、
ホースの先から職人の手によって建物をかたどった型枠の中に打設されます。
打設の手順や注意は現場監督から指示が出され、周囲には独特の緊張感が漂います。
近隣への事前の挨拶や道路の清掃などにも気を使う、工事の中でも大きな節目となる作業が続です。
騒音と振動、職人の声、建て主も見学に訪れて自宅の工事を実感する時です。

外防水 ■ 地階の防水
地階は通風と採光の他、もう一つ「防水」が解決すべき大きな問題です。
敷地の広さにもよりますが、建物の外側から防水処置をするのが理想です。
細い通路のように見える右側が地階のコンクリート、外側から防水処置を施して埋め戻します。
見えなくなる部分が建物の物的性能に直結することが多いのです。
潰してしまうのがもったいなくなるようなコンクリートの仕上がりでした。

型枠 ■ 地上階
型枠(ベニヤ板で組上げる)が地上に立ち上がってきます。
この時点では外壁にかかわるタイルや窓など、ほとんど全ての監理上の確認、打合せは済んでいます。
建物のスケールを建て主も実感できるようになります。

仮囲い ■ 仮囲い
安全上の問題から建物の外側を通気性のあるシートで覆います。
これ以後、完成直前まで全体を外から見ることはできなくなりますが
着々と工事は進み、内部造作やキッチンの内容、照明計画、内装の素材と色などの
施主打合せが忙しくなります。

下地工事 ■ 躯体完成
コンクリートの強度が確認されると上部の床板を支えていた支柱が撤去され
人が中に入れるようになります。 室内のヴォリュームを実感できる時です。
そろそろ家具の購入や外構の植栽が気になるころです。

■ 上棟祝い
コンクリート住宅の場合、屋根のコンクリートが打ち上がり、躯体が完成した時点が「上棟」
にあたります。 関係者が集まり、紅白の幕が張られ、ひと時 お祝いの時を過ごします。
だんだん簡素になる傾向がありますが、関係者(特に鳶職)には誇らしい日に違いなく
現場の雰囲気も和やかに、同時に引き締まってくるものです。









■ 下地工事
建物のあらゆるところで下地の工事が始まります。
すべてに設備の配管が絡むので、打合せも週に一度では済みません。
最後にタイルが仕上がりました


仮囲い撤去 ■ 仮囲い撤去
仮囲いが撤去され、建物が姿を現します。
すでに外装タイルの検査、打ち放し面のチェック、屋根防水の施工も終わって
内装工事と外構工事、設備配管、配線の引き込み、繋ぎなどが平行して進みます。
雑然とした工事現場に突然現れたかのような錯覚さえ起こします。

引渡し前 ■ 完成直前
シンボルツリーが植えられ、外構工事も終わり、竣工検査を待つばかりとなりました。


設計と設計監理 ・ 現場で会いましょう

 フォルムザールの設計監理は工事完了引渡しまで、途切れることなく続き、基本的には最低週に一度現場打合せを施工者と実施します。
 建て主との確認が必要と判断された場合は事前に時間を決めて三者が現場内で打合せをします。
 図面では理解に苦しむ事柄も実物を見れば誰にでも分かることが多いのです。

設計監理 ・ デザインの意図を伝えたい

 少し分かりにくい話ですが、「工事管理」は施工を担当する施工者が責任を持って行う業務を指します。
 「施工者」とは建て主と工事の請負契約を結ぶ工務店などの施工会社、もしくは大工さんなどのことです

 設計監理者は建築基準法に基づく業務は基より、設計図書には表現しきれない、図面の意図を
 施工管理者に伝え、より質が高く、建て主の想いを色濃く反映した建築、建築空間となるよう 最後まで努力します。


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